涼 子 【7】
「いやあっ」
反射的に顔をそらした拍子に澤田の指が唇をかすめ、涼子は心ならずも自分の牝の匂い
を思い知らされてしまう形になった。
「ははは、わたしに見られたことで、ずいぶんと興奮してしまったようですね。なんて敏
感な人だ」
よりによってこんなときに淫らな反応を示してしまった自分の身体が、涼子は恨めしか
った。
「大丈夫ですよ。安心してください、奥さんには露出狂の気まであるなんて、けして誰に
も言ったりしませんから」
「そんな……わたし、わたし、そんな女じゃ……」
蚊の泣くような声の反論など、澤田のあけすけな実況にかき消されてしまう。
「いやあ……すごい、すごいですよ、見ているだけでどんどん溢れだしてきてます。ほら
ほら、お尻の下まで垂れちゃって」
いつのまにやら涼子は両手で顔を覆い、澤田が涼子の膝の間に陣取って大きく秘芯をく
つろげている格好になっている。
「ほら、聞こえます? この音」
楽しげに指を入り口で遊ばせ、ネチネチという淫液の弾ける音を涼子に聞かせてやる。
否応なく耳に入り込んでくる粘着質の音が、涼子の神経を痺れさせる。
涼子はもう、なぜこんなことになっているのか、わけがわからなくなってしまっていた。
涼子がひどく混乱しているのをいいことに、澤田の動きはだんだんと大胆になっていく。
「可愛らしいクリトリスですねえ……つんと上を向いちゃって、そんなに触って欲しいん
ですか」
愛液が絡みついた中指で、敏感な肉芽をそっと撫でる。
「んはああっ」
快美なざわめきが脊髄を駈けあがり、自分でも信じられないくらい、淫らな声が口をつ
く。
涼子の激しい反応に気をよくして、澤田は両手で脂の乗った腰を抱え込むと、むしゃぶ
りつくように舐め回しだした。
「ああっ、そ、そんな……んああ、だめ、だめええっ」
逃げ出さなければとわかっているのに、腰にまるで力が入らない。
女芯からは蕩けるような快楽が波のように押し寄せ、残っていた理性を押し流していっ
てしまう。
「ああぁ……はああっ、くふぅ……」
ストーブの前に置いたバターのように、全身が溶けていっている気がする。
次々と湧き出てくる蜜液で顔中ベタベタになるのもかまわず、澤田は夢中で舌を躍らせ
続ける。
「……あ」
空気が抜けたような吐息を漏らし、涼子の全身が細かく痙攣し始める。
――そろそろのようだな。よし、このまま一度イカしちまうか
澤田は涼子を絶頂に追いやるべく、舌先を尖らせて早い動きで肉芽を転がしてやる。
「あ……だ、だめ、それだめよおおっ」
言葉とはうらはらに、澤田の舌を求めるように狂おしく腰をくねらせる涼子。
全身がガクガクと大きく震え、やがてピーンと1本線が入ったかのように背中が突っ張
る。
「ああん、だめ、だめなのおぉっ……あああっ」
あっけないくらい簡単にエクスタシーへと押し上げられ、涼子はぐったりと身体の力を
抜いた。
ぐちゃぐちゃの秘苑に顔をうずめたまま、澤田は下卑た笑みを浮かべた。
涼子の屈辱は、まだ始まったばかりだった。